行政書士は、事実証明に関する書類の作成を業として行うことができます。財務書類の貸借対照表は、財政状態という事実を証する書面です。損益計算書は、経営成績という事実を証する書面です。従って、行政書士は財務書類を業として作成することができます。
しかし、行政書士は「財務書類の監査と監査証明」を行うことはできません。行政書士が行う監査は、業務監査または経営監査になります。
公認会計士法は、「財務書類の監査又は証明」を行うことを公認会計士以外が行うことを禁止しています。
・監査は、監査内容から分けて大きく会計監査と業務監査があります。会計監査の中で財務書類の監査又は監査証明は公認会計士の独占業務になっていますが、現場の金銭管理等の監査は独占業務ではありません。業務監査については、特別の資格に独占を認めておりませんが、行政書士は、国家資格により事実証明書の作成を認められておりますので、業務監査を行政書士業として行うことができると考えます。
事実証明に関する書類を作成するためには事実の調査が必要です。事実の調査とは事実の監査すなわち業務監査と言えると考えます。
・業務監査は、ガバナンス、内部統制、人事労務、リスク管理、ディスクロジャー、コンプライアンス、環境保護、個人情報保護などがありますが、経営に関する監査全てを含み経営監査でもあります。しかし、経営監査は、内部監査で行われることが多いのですが外部監査において経営監査、業務監査を行うところに重要性があると考えます。
・公認外部監査人は、日本マネジメント団体連合会が公認する外部監査人です。
全日本行政書士連絡会議が参加し制度化しています。
・公認外部監査人の公認申請要件は下記のとおりです。申請先は、一般社団法人日本マネジメント団体連合会公認外部監査人資格審査会です。
公認外部監査人公認申請要件:
日本マネジメンント団体連合会に加盟している団体に所属する下記の者は申請により審査の上で「日本マネジメント団体連合会 公認外部監査人」及び「 公認外部監査人」の称号が与えられる。
1、行政書士、公認会計士、弁護士、税理士で監査知識に優れる者
2、行政書士、公認会計士、税理士の補助者として10年以上の経験を有し、監査知識に優れる者
3、監査に関する研究に従事し、原著論文を二編以上執筆した者又は監査に関する論文で博士の学位を取得した者
4、監査、会社法、会計、経営等に関する大学の講座で5年以上の教員経験を有する者
5、その他、前各号と同等の能力を有すると公認外部監査人資格審査会で認められた者(実績評価と試験合格のいずれか)
※ 公認外部監査人資格審査会は、一般社団法人日本マネジメント団体連合会に設置する。
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全日本行政書士連絡会議
公認外部監査人研究委員会
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全日本行政書士連絡会議
特定行政書士を中心とする行政書士制度を研究普及する団体です。公認外部監査人制度を推進しています。